東京都立神代高等学校では、1年生7クラス279名を対象に『locus(ローカス)ProgramⅠケーススタディ動画視聴プラン』を導入し、ICT教育を推進しています。
第1回では、locus導入のねらいやノートPCの利活用についてご担当の先生にお話しを伺いました。(2022年10月取材)

POINT

  • locusをきっかけに1人1台端末の利活用をスタート、学習記録をノートPCで入力
  • 答えを言わずに、生徒が自分なりの視点で考えるよう導く授業
  • 身近な「地域」を題材に、課題を発見し、問いの立て方を学ぶ

毎回の感想文の記録から1人1台端末の活用をはじめたい

今年から1人1台端末の活用が始まりました。
locusをきっかけにノートPCをしっかり使いたいと考え、locusの学習後には必ず「〇〇文字以上〇〇文字未満」の感想文を課しています。生徒たちは感想文を考えることで、文章でまとめる力を身につけつつ、PC操作にも慣れてきている印象です。
授業では学習補助動画を見たり、話し合いの時間を設けたりと、アナログとデジタルを融合できるよう心がけています。毎回の授業時間が50分のところ、40分で構成してゆとりを持たせ、10分間は教員それぞれの時間にして個性を生かすようにしています。先生方の得意分野はみなさん異なるため、間に挟む言葉はお任せしています。

自分から答えは言わない。生徒が主役になって考える授業

総合的な探究の時間の授業中は、答えを言わないようにしています。
答えは言わないのですが、「興味を持つ練習になるし、興味を持ったことを調べたり考えたりする練習にもなる」「思っている以上に身近に企業はたくさんある」など補足を入れて生徒が自ら考えるよう促しています。


生徒のlocus学習記録

「地域」を題材に探究の問いを立てるUnit1、授業後の感想文ではさまざまな視点から「地域」を見つめている様子がうかがえました。

Q. この学習(Unit1)を通して、地域や社会の課題に関心が高まりましたか?

※locus学習記録「この学習(Unit1)を通して、地域や社会の課題に関心が高まりましたか?」(n=271)に対し、とても高まった、どちらかと言えば高まったと回答した生徒の割合合計

今までも自分の住んでいる町について調べてきましたが,改めて調べると私にとって当たり前だったことが実はPRポイントだったり新しい発見がありました。また、6Qsに基づいて考えると自分にかかわる課題、地域で取り組まなければならない課題がはっきりしました。これからは立てた問いをどのように解決すれば良いのかも考えていきたいです。

問いを立てるためには地域についての関心を持っていなくてはいけないため難しそうだと感じていたが、実際は自分の身近なことから少しずつ問いを広げていくことで、自分が思っていたよりも簡単に問いを立てることができた。

当たり前のように、商店街を通って登校していたが、この授業を通して周りをよく見て歩くようになると道の汚さであったり、様々なお店が駅周辺に沢山あることなどを気付くことが出来ました。
自分の町でも良いところと改善したほうがいいところが沢山あると思うので、普段から意識して生活していきたいです。

自分たちの大事な街にはたくさんの問題点があって必ずしもずっとこのままでい続けられる訳では無いんだと分かった。
街のこれからを守っていくには変化させなくてはいけなくて、ただ毎日を何も考えず過ごさずよく街を見ておくべきだと思った。

10年ほど●●市に住んでいて、住みやすいし地域のつながりも感じられる良い街だと思っていました。
しかし市の課題を見てみると、私が十分ではないのかと思っていたことが不十分であることがわかりました。
自分だけの一面で見ていたけど、もちろん住みにくさを感じる人もいるようで、知っているつもりでまだまだ何も知らなかったんだなと思いました。
子育て世代にもおじいちゃんおばあちゃんにも、働く世代の人や学生にも便利な良い街だと胸を張れるようなまちづくりができたないいなと思います。

※locus学習記録「Unit1のまとめ・感想を記入してください。」(n=271)より一部抜粋

第2回では、探究の学びとキャリア教育との接続についてご担当の先生にお話しを伺いました。

東京都立神代高等学校(第2回)

『locus(ローカス)ProgramⅠケーススタディ動画視聴プラン』導入事例、第2回では探究の学びとキャリア教育との接続についてお話しを伺いました。


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身近な課題の宝庫である「地域」を題材に、課題解決を学び、課題解決に挑む探究学習プログラムシリーズ

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