加藤学園高等学校では、進学コースの2年生7クラス242名を対象に『志望理由の組み立て方』『小論文の書き方』を導入し、講演会や添削と組み合わせ、早期から文章力向上~進路決定まで包括した指導をしています。(2023年5月取材)

POINT

  • 同じコンセプトの書籍・添削・講演会を組み合わせたプログラムで統一した指導ができた
  • 2年生から小論文と志望理由の指導を開始、添削サービス複数回利用のねらいとは
  • 「読書ができ、自分の意見を表現できる人」を育てていきたい

同じコンセプトの教材で統一した指導を実現

本校の進学コースは「文武両道の実現」を掲げ、勉強と課外活動(部活動・生徒会活動等)の両立を目指しており、運動部に所属する生徒が多いです。
そのため、国語の授業やホームルームだけでは小論文などの指導時間の確保が難しいことが課題でした。半強制的な指導が必要なのではないかと感じていました。
また、「読書ができ、自分の意見を表現できる人」を育てることも目標としており、早い段階から文章を書かせ、自身の意見をまとめさせる経験を積ませたかった、という理由もあります。

教材の選定においては、トータルでの価格の安さやテキストの内容、講演会の充実度が決め手になりました。
マイナビの『志望理由の組み立て方』と『小論文の書き方』の2つのテキストは、基本的な内容から進路選択の意識醸成までカバーされた内容であることが魅力です。
同じ会社のテキスト、添削サービス、講演会を組み合わせることでコンセプトに統一感が生まれ、指導する際に混乱することなく進められるのが良かったです。

生徒たちの様子を見ていると、教材や講演会を通して「はじめて知った!」というポジティブな反応があり、そこから行動が変わっていくこともありました。
ある生徒は、マイナビの講演会で「世の中はひとつの物事にたくさんの物事がつながっている」というお話しから、「たくさんの教養が必要だ!」と主体的に時事問題の情報をキャッチするようになりました


※『小論文の書き方』は2023年3月に『伝わる意見のつくり方』リニューアルしました。

早期からはじめる小論文・志望理由プログラムのねらい

同じコンセプトで一貫性のある指導をすること以外にも、ねらいや工夫があります。
その一つは『添削サービス』の複数回利用です。志望理由書の添削は2年生10月と3年生6月、小論文の添削は2年生3月、計3回それぞれ目的をもって実施します。

2年生10月に志望理由書を書くのはかなり早いと思われがちですが、運動部の生徒が多い進学コースならではの目的があります。
夏が過ぎると部活動の新体制がはじまり、9月から2年生中心のメンバーで新人戦に挑みます。「部活動の顔」になる時期と同時に、進路意識を高くもって行動してほしいというねらいから敢えてこのタイミングで志望理由書を書くことにしました。

小論文の指導では、生徒が無意識に使ってしまう「話し言葉」の改善のために、生徒同士のペアワークや教え合いを重視しました。
242名の生徒が集合し、近くの生徒同士でテキストを読んで意見交換をすることで、自分自身で気づく経験になったと思います。
2年生3月に書く小論文は、生徒の希望分野別に教員から課題文のテーマを指定しました。それによって希望分野ごとの生徒の現状をつかみやすくなり、その後の指導にも生かせました。

こうして実施した添削の結果は、3年生を目の前にした春の三者面談での確認資料としても活用しています。

10年後を見据え、これからの社会で活躍するための力を


これからの社会で生きていく生徒たちには「読書ができ、自分の意見を表現できる人」にぜひなってもらいたいと考えています。
言い換えると「本や文章がどのような内容なのか正しく読み取り、自分の必要な情報と不要な情報を取捨選択し、自分なりの意見を考え、それを表現する力のある人」ということです。今後より必要性が高まるスキルであり、早期から経験を積んでいってほしいです。
生徒たちはどうしても目の前の小テストや部活動に追われてしまいます。だからこそ、将来のことを踏まえて「10年後の自分」を見据えた行動ができるような生徒を育てていきたいですね。


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伝わる意見のつくり方

意見のつくり方を学び、分析と実践で意見構築・文章化の基礎を鍛える

志望理由の組み立て方

自己分析(自己理解・進路研究)を通じ「なぜその志望先なのか」の言語化をサポート

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