宮城県泉松陵高等学校では、3年生6クラス230名を対象に『志望理由の組み立て方』を導入し、自己分析・振り返りを重ねて志望校選びにつながる理由を見つけるための指導をしています。(2023年5月取材)

POINT

  • 『志望理由の組み立て方』の毎回の取り組みで自然と自己分析を深めることができた
  • ゴールを明確にした指導計画が重要。教員とマイナビ担当者の二人三脚で作成
  • 実績や数値の追求ではなく、なりたい自分になるためのプロセスを指導することが進路指導の本質

ホームページの丸写しだった志望理由が深みのある内容に

総合型選抜や学校推薦型選抜など、いわゆる年内入試にエントリーする生徒が多い本校において、出願時に必須とされる志望理由がなかなか書けないという課題がありました。志望校のホームページの情報を書き写すだけに留まってしまい、「なぜその進路を選択し、将来はどんな仕事に就きたいのか?」といった根本的なビジョンが持てない状態でした。
『志望理由の組み立て方』を導入し、まずは「自分を知ること」からはじめ、学問の分野やその先につながる仕事や生き方へと発展させていくことで、進学の目的や志望校選びにつなげるべきだと考えました。

『志望理由の組み立て方』は、単に志望理由の書き方や構成を学ぶだけのテキストではありません。実際に使ってみて気づいたのですが、志望理由を書くために必要な自己分析や振り返りが意図的に組み込まれており、自然と自己分析を深めていけるところが良かったです。
また、教員たちもどのようなプロセスで生徒に向き合いアドバイスをすれば、深みのある志望理由を引き出せるのかを学ぶ機会となりました。今後の個別指導で生かしてもらいたいですね。

効率・効果を重視した短期指導計画をマイナビ担当者と作成

3年生1学期の総合的な探究の時間で指導する、という時間的な制限があるなかで、効率的かつ効果的に指導することに重点を置き、指導計画を練りました。
本校の進路部内で担当者を決め、マイナビの担当者と相談しながら『志望理由の組み立て方』で扱う項目や要点を絞っていく流れで作成しました。
この計画段階で、きちんとした見通しとゴールイメージを持てたことが大きかったです。
4月のオリエンテーションからスタートし、計8コマの志望理由書指導スケジュールを作成しました。

さらに、生徒への指導においてはできるだけ教員の負担や指導に対する迷いをなくすことを心掛けました。
指導する教員によって差が生じないよう1時間ごとに具体的な指導計画を作成し、一貫性のある指導ができるようにしたのがこだわったポイントです。

※宮城県泉松陵高等学校の『志望理由の組み立て方』活用プログラム案より

なりたい自分になるためのプロセスを指導する

本校では、単に進学実績や就職率などの「数値」だけを追求する進路指導ではなく、生徒たちが明確な将来への目的意識を持ち、自己実現に向かう態度をつちかうことが重要だと考えています。
それが「進路指導の本質」であり、なりたい自分になるためのプロセスを大切にし、生徒たちが自己実現に向けた「強い心」と「志」を養う指導を引き続き目指していきたいですね。
「年内入試で早く進路先を決めてしまいたい」と安易な選択に流されることのないよう、今後も生徒一人ひとりと向き合い、丁寧に指導していきたいと思っています。


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志望理由の組み立て方

自己分析(自己理解・進路研究)を通じ「なぜその志望先なのか」の言語化をサポート

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