沖縄県立首里高等学校では、1年生9クラス360名・2年生10クラス394名を対象に『locus ProgramⅠケーススタディ動画視聴プラン』を導入し、地元企業や自治体と協力しながら探究活動を実践しています。(2023年1月取材)
POINT
- 生徒や教員の実態に合わせた教材の活用を模索
- 地元企業や自治体と協力して、学びを自分たちの地域の視点で考えられるような取り組みを実践
- 生徒の意識だけでなく行動変容を目指す探究学習にしたい
「探究」に取り組む姿勢と教材を活用するための工夫
総合的な探究の時間を、いかにして「探究」にしていくかが課題でした。担当教員や使う教材も毎年変わっている状況で、良質な教材を長期的に使い続けたいという思いもありました。
そこで、マイナビのlocusを使うことで、地域につながる課題を見据え、積極的に取り組む姿勢を育成することができるのではないかと期待して導入を決めました。
導入後は、付属の教員用指導ガイドに頼りすぎず、本校の生徒や教員の実態に合わせて略案を作成し、実践しています。
また、考えたことをペアやグループで共有する時間を設け、他者の考えを知り、自分の意見をアウトプットする機会を作るように努めました。
毎回授業の最後には、学校オリジナルの振り返りシートを使って、どのような学びがあったか振り返りの時間を取り入れるように工夫もしました。
教材で学んだことを地元企業や自治体と実践する取り組み
まとまった時間が取りやすい夏休みを活用し、グループでの夏期探究活動を課しています。
夏期探究活動では、Unit1で立てた問いの原因と考えるところをサプライチェーンから見つけ出し、実際に企業や自治体にインタビューをさせました。
限られた準備時間の中でのインタビューでしたので、さまざまなお声を地域から頂きましたが、locusを通して学んだ視点をすぐに自分たちの地域の視点で考えることができたため、生徒にとっては貴重な機会となりました。
秋頃に那覇市から地域の課題を提示してもらい、市内企業と共に解決策を考えて、1月には代表生徒が発表するという取り組みも行いました。
発表会の様子は地方紙にも掲載されました。地元企業や自治体とのつながりを生かした取り組みになりました。
▼発表のテーマと概要
意識の変化の次に目指すもの
生徒の自己評価アンケートからは、概ね探究の取り組みに対して満足していることがわかりました。
自分にとって身近な地域(沖縄県や那覇市)の課題を取り巻く環境や、関わっている方々の想いを知り、見る・知る・考えることの重要性を理解し、高校生の自分には何ができるのかを考えられたと思います。
意識の変化は起こっていますが、今後は行動の変容に着目すべきだと考えています。
教員側としては、locusを通して見えてきた本校の課題や指導の難しさを、次年度以降の内容改善につなげていきたいです。
今後に向けては、3年間を通して育てたい生徒像を明確化し、それをもとにした各教科との横断的なつながりを確立したいです。そのためには全職員が同じ方向性で動かなくてはなりません。
1つの疑問から出発し、さまざまな知識を総合して解決の糸口を見つけ、さまざまな解決策を考案する。内的好奇心と探究心を育み、人間として成長する探究学習を提供したいものです。
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