近畿大学附属広島高等学校東広島校では、現在の高校3年生6クラス234名向けに、2年生の12月~高校3年生4月まで、「志望理由の組み立て方」、「志望理由対策講座」の2つ のサービスを導入し、着実に力をつける取り組みを行いました。(2024年7月取材)

POINT

  • 志望理由の土台部分を固める
  • 確実に進めていくためのスモールステップを大切に
  • 着実に力を積み、志望理由添削で実践

志望理由の土台部分を固める

本校では高1~2年生にかけて小論文指導を行っており、小論文添削サービスまで計画的に進めることができています。
しかし、高2~3年生の春にかけての志望理由指導は、高3年生4月に他社の添削サービスを実施するという単発のものとなっており、事前に準備や指導をほとんど行わないまま実施してきました。
そのため、添削原稿の記入の際、一部の生徒は充分に準備ができた状態で臨むことができておらず、これでは添削サービスの効果を十分に得ることはできないのではないかとの懸念を抱いていました。
そこで 、添削サービスでの効果をさらに高めることを目的として、高校2学年2学期から進めている大学案内を用いた学校研究や、志望校の検討と連動する形で、志望理由の土台部分を固める取り組みとして『志望理由の組み立て方』を導入しました。
似たような商材は複数ありますが、決め手としては「生徒が準備する項目それぞれの意味を感じながら準備できる」「担任の負担が軽減できる」の2点です。

WORK01-WORK12はそれぞれ意図を明確に示したうえで作業に入るので、動機づけがしやすいです。
これにより担任が各クラスで指導するうえでも「画一性」が高まり、経験値の少ない教員でも安心して指導することができます。

確実にすすめていくためのスモールステップを大切に

生徒が志望理由を組み立てる工程をスモールステップで積み上げることで、高3年生4月までに全生徒が志望理由書を一通り完成させることができるよう工夫しました。

現在の3年生は、新課程1年目の学年として、いわゆる推薦によってこれまでよりも多くの生徒が受験し合格していくことが見込まれる中、志望理由の指導を充実させることが重要です。スモールステップの積み上げを徹底させていくこと で、7月末の三者懇談までに「志望大学・学部・学科」「志望理由」をあわせて十分に検討したうえで志望決定する タイムテーブルにもうまくはめ込めることができると考えました。

テキストのWORK01からWORK13をクラス内で担任や仲間とともに取り組むものと、冬期課題・春期課題で生徒各自が取り組むものに大別し、前者はLHR等の時間で計画的に進め、高校3年4月までに志望理由の下書き(WORK13)が完成するように計画しました。
各WORKを着実に仕上げさせることが重要であるため、主導する学年主任と担任の間で各WORKの目的を確認し、担任は各WORKのコンテンツ内のポイントを徹底して生徒に伝えながら取り組みを行いました。

着実に力を積み、志望理由添削で実践

この取り組みを導入したことで、生徒に関しては、志望理由を考え、書くことの重要性(意義)を生徒自身が認識したうえで、前向きに取り組む姿勢が学年全体で見られました。思うように書けないWORKがあれば、自分の志望理由がまだ詰め切れていない部分であると明確になるため、大きな気づきとなったと思います。

WORK1~12を積み上げたうえで、WORK13での下書きに臨ませることで、積み上げてきた情報のつながりにより自分自身の志望理由のストーリーが紡がれていくことを体感させられたと考えています。
教員は、スモールステップとしての各WORK を指導していくことになるため、各WORKの成果をWORK終了時に提出させたり、三者面談で保護者も交えた場で確認したりと、生徒の進度を確認しながら進めることができました。
どのWORKで躓くか、生徒によって個人差があるため、その部分を掘り下げていくような生徒との進路面談を実施できました。

また、WORK13はマイナビ講師による「志望理由対策講座」の中で実施しました。
講座内で事前に志望理由書の下書きに臨ませ、自己添削をすることで、生徒の文章の質は明らかに高まったと感じました。
このように着実に力をつけさせたうえで、4月に実施した志望理由添削サービスでは、 フィードバック内容の質が総じて高く、志望理由の土台部分を固めさせたことで、より効果の高い添削受験につなげられたと実感しました。


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志望理由の組み立て方

自己分析(自己理解・進路研究)を通じ「なぜその志望先なのか」の言語化をサポート

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